【バックカントリー用品】バックカントリーに最適なブーツの選び方
【バックカントリー用品選びの基礎】
バックカントリーに最適なブーツの選び方を解説!
バックカントリーでは、自分の足で雪山を登り、手つかずの斜面を滑降するために開発されたバックカントリー用品が欠かせません。中でもブーツ選びは非常に重要で、滑走性能だけでなく快適なハイクアップを実現する機能も求められます。
こちらでは、バックカントリーに最適なブーツ選びのポイントをわかりやすく解説します。さらに、使用するビンディングに合わせたブーツ選びのポイントも紹介します。最適なブーツを選択し、バックカントリーを最大限にお楽しみください。
中級者必見!バックカントリーで活躍するウォークモードブーツ
バックカントリーにおけるブーツ選びの重要性
バックカントリーでは、ゲレンデスキーのようにリフトを使用せず、自分の足でハイクアップして滑走する必要があります。そのため、スキーブーツには滑走性能だけでなく、ハイクアップを快適にする機能も求められます。ブーツ選びを間違えると、以下のような問題が発生する可能性もあります。
問題点 | 内容 |
---|---|
足の痛み | サイズが合っていないものを履くと足が痛くなる |
疲労 | 重いブーツを履くとハイクアップ時に想像以上の疲労が溜まる |
滑走性能の低下 | ハイクアップを優先するあまり滑走性能が低いものを選ぶと、滑降時に不安定になる |
ケガのリスク | 機能が不十分であると転倒や滑落のリスクが高まる |
滑降時でも妥協せず高性能
雪山ではハイクアップだけでなく、滑降時にも充実したパフォーマンスが求められます。ウォークモードブーツは、従来のスキーブーツに比べて軽量で歩きやすい構造が特徴ですが、滑降性能においても妥協はありません。
フレックス(硬さ)は性能に大きく影響するため、さまざまなモデルが用意されています。自分のスタイルやレベルに合ったフレックスを選ぶことで、快適なハイクアップと満足のいく滑降を両立できます。上級者ほど硬めのフレックスを選び、より滑降性能を重視する傾向にあります。
また、ブーツの素材や構造も滑降性能に影響を与えます。軽量な素材を使用しながらも、剛性を高める工夫が施されたモデルが多く、滑降時の安定感や操作性を向上させています。
ウォークモードブーツ選びのポイント
フレックス:滑走スタイルに合った硬さを選ぼう
フレックスは滑走性能に大きく影響し、数値が高いほど硬く、上級者向けです。レベルごとのフレックスの目安は、以下のとおりです。
男性
- 120~140:上級者向けモデル
- 100~120:中級者向けモデル
- 80~100:初心者向けモデル
女性
- 110~130:上級者向けモデル
- 90~110:中級者向けモデル
- 70~90:初心者向けモデル
ただし、メーカーによって基準が微妙に異なるため注意が必要です。また、同じメーカーでもATブーツ(兼用靴)とフリーライドブーツで硬さの基準が違うので、注意が必要です。同じ数値であってもATブーツ(兼用靴)は柔らかく、フリーライドブーツは硬くなります。
重量:ハイクアップの負担を軽減
バックカントリーでは、快適なハイクアップを実現する軽量性と、山頂からの滑降を存分に楽しむための滑走性能の両方が欠かせません。
ブーツの種類 | 重量 | 特徴 |
---|---|---|
ATブーツ(兼用靴) | 850~1400g | 軽量性に優れ、ハイクアップ時の負担が少ない |
フリーライドブーツ | 1700~2200g | 頑丈で滑降時の安定感に優れるが、重量がある |
軽量化が進んだフリーライドブーツ | 1400〜1700g | 高い滑走性能を維持しつつ、軽量化を実現 |
※上記はあくまでも目安であり、モデルやサイズによって重量は異なります。購入前に必ずメーカーのウェブサイトなどで正確な重量を確認してください。
自分のスタイルに合わせたブーツ選び
ウォークモード付きブーツには大きく分けて3つのタイプがあります。
- ①登りを重視した軽量タイプ(ATブーツ)
- ②滑りを重視したタイプ(フリーライドブーツ)
- ③滑りも登りもどちらも兼ね備えたタイプ(軽量化が進んだフリーライドブーツ)
ピークハント(山頂への登頂)を目標とし、滑りよりも登りを重視したい方は①を。
登りは辛い思いをしても滑りを妥協せず楽しみたい方は②を。
登りも滑りも快適に楽しみたい方は③を。
滑りを重視するブーツほど重く、登りを重視するブーツほど軽くなります。自分のスタイルに合わせたブーツ選びが大切になります。自分に合ったブーツ選びに困った場合は、お気軽にスタッフにご相談ください。
ソール形状:グリップ力と歩行性能を高める
ブーツのソール形状は、グリップ力と歩行性能に大きく影響します。近年はATブーツ(兼用靴)、フリーライドブーツともにグリップウォークソールを採用し、ラウンドしたソール形状にゴム製のブロックソールが多く使用されているため、険しい地形でも歩きやすい設計です。また、テックビンディング対応ブーツでは、つま先とかかとにピンが付いたテックソールを採用し、歩行時にはかかと部分を解放することで、より自然な歩行をサポートします。
【選び方】使用するビンディングに合わせたブーツ
テックビンディングに合うブーツ
テックビンディング
テックビンディングは、軽量性とシンプルな構造が特徴のテックビンディングの代表的な規格です。ブーツのつま先とかかとにあるピンの受けをビンディングにあるピンに差し込むだけで装着が完了します。
特徴 | 詳細 |
---|---|
軽量性 | シンプル構造ゆえ軽量で、ハイクアップ時の疲労軽減に貢献 |
コンパクト | ビンディング自体も小型軽量なため携帯性にも優れている |
操作性 | 装着が容易で、歩行モードと滑降モードの切り替えもスムーズ |
軽量モデルが多いため、ATブーツなど軽いブーツをセットアップすることで、長距離のハイクアップを快適にしてくれます。ただし、滑走時の安定感やパワー伝達を求めるスキーヤーにとっては、やや物足りなく感じることもあります。
代表的なブランドは、G3「ION12/10」、TYROLIA「ALMONTE12/10」などがあります。
ハイブリッドビンディングに合うブーツ
ハイブリッドビンディングは、テックビンディングの弱点であった滑走時の安定感とパワー伝達を向上させた規格です。つま先部分はハイブリッドビンディングと同様ですが、かかと部分はアルペンビンディングに近い構造を採用することで、より強力な固定力を実現しています。
特徴 | 詳細 |
---|---|
高性能 | ピンテック規格よりも滑走時の安定感とパワー伝達に優れている |
安心感 | かかと部分の固定力が強いため滑降時の安心感が高い |
汎用性 | ピンテック規格と比較して重量は増すが、滑走性能と歩行性能のバランスに優れている |
アグレッシブな滑降を楽しむスキーヤーや、より高い安全性を求めるスキーヤーにおすすめです。フリーライドブーツとセットアップすることで登りも滑りもバランスよく、どちらも楽しむことが可能です。代表的なブランドは、MARKER「KINGPIN」、SALOMON「SHIFT」などがあります。
フレームツアービンディングに合うブーツ
フレームツアービンディングはツアービンディングの一種で、アルペンビンディングに近い滑走感覚とブーツの保持力を持ちながら、歩行時にはフレームごとかかとが上がる機能により歩行をサポートします。ISO9523(ツアー規格ブーツ)、ISO5355(アルペン規格ブーツ)の両方に対応するため、滑りメインのフリーライドブーツや、ウォークモードのないアルペンブーツをセットアップすることで、アルペンビンディングに近い感覚で滑走することができます。
また、滑走性能に優れていますが、ハイクモードでは重たいヒールピースごとかかとを上げて歩くため、体力が必要となる点は留意が必要です。
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